• 4月 29, 2024

「息切れ外来」はじめます

当クリニックは、「息切れ外来」も始めます。
歩くと息切れがする、夜間息苦しくで寝にくい、風邪をひいてから咳が長引くなどの方は是非受診して頂いて精査させて頂きます。

息切れは、心臓疾患、呼吸器疾患、感染症などが関わってきます。人によっては、一つの要因だけの方もおられれば、人によっては、心臓と肺両方悪い、もともと喘息もあるなど複合的に影響することが多いです。

今回コロナ感染症後遺症でもよくいわれている、「咳が長引く」という方が多いと見受けられます。昔は小児喘息があった程度で、最近はまったく喘息なんて無縁だという方が、コロナ感染、インフルエンザ感染、風邪をひくことで、咳喘息のような状態に移行することはよくあります。そしてそれを放置していると本格的に喘息に20~30%の人がなってしまいます。その場合は、本人は上記の感染の後遺症だと思い込み、適した治療をできずに放置してしまうのはもったいないことです。

当クリニックでは、ステロイド吸入が効果的な、喘息発作を見逃さないようにするために、「一酸化窒素ガス分析装置 NIOX VERO」という機器を購入いたしました。これは、気道の炎症を評価し、炎症の程度が何から来ているのかを精査することで治療方針に結び付けようというものです。それに応じて吸入治療を導入することができ、適時、吸入量を調整しながら、治療効果判定も行うことができます。

細かい機械の測定機序も補足しておきます。気道に炎症が起こると、気道の上皮細胞から誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)というNOを作る酵素が増えます。そのNO濃度を測定することで、結果的に炎症の程度を知ることができるのです。NOの濃度は、喫煙やCOPD(慢性閉そく性肺疾患)では上昇することはなく、COPDと間違えて診断することもありません(COPDはまた話はかわりますが、当クリニックにある呼吸機能検査で診断が可能です。)。NO濃度が安定した数値になると、治療を強化する、減量する、いったんやめる根拠にもなります。

検査内容は、いたって簡単で数分でおわります。息をふきかける時間はたった10秒程度で終了します。呼気NOの評価は、(成人25ppb未満、12歳未満の小児20ppb未満が正常)数字でコントロール不良か、安定期、正常かがわかります。喘息症状のある患者さんでも、低値の方はステロイドホルモンの吸入の適応はありません。喘息以外の原因を探る必要があります。よくあるのは、心臓喘息です。

当クリニックでは、心臓の精査も同時に心臓エコーで行うことができすぐに診断することができます。NO濃度が高値の方は吸入ステロイドの治療を行いながら、効果判定にも活用し、現在の治療が適しているかもわかります。

小児の方は、NO濃度に影響する要因としてアレルギーの原因物質も探る必要があることが多く(持続的にアレルゲン暴露が要因)、当クリニックでは、中学生以上の方にしか行いません。

料金は、呼気ガス分析(呼吸器機能検査等判断料含む)で、3割負担の方:720円、2割負担の方:480円、1割負担の方: 240円です。保険点数は検査(判断料込み)で240点です。定額負担の方は費用の増加はありません。

当然、他院かかりつけの患者さんも、この検査だけをしてほしいというご要望も承りますので、遠慮なくお申し付けください。

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